269 蝶貝合わせの日 (大友和真&宮野梨華/旭川遼哉&森川美並) |
まだ遊ぶと意気込んでいる秋子たちと別れ、和真と梨華は梨華の家へ向かっていた。退院前の準備のために外泊許
可をもらった―――というのが表向きだが、和真が自分の家に帰るのは明日の朝の予定だ。つまり、今日は梨華の家に泊まる予定なのだ。 和真の退院は一週間後に決まった。元々梨華がみどりたちをグリーンアイズに呼んだのは達哉にその報告をするためだったのだ。 「あーあ、梨華と同じ大学だったら良かったのに」 夕日の前の少しだけオレンジに染まった空を、和真は見上げた。きっと隣の梨華は困った顔をしているだろう。 「ねぇ、もし俺が、梨華の大学受けてたら、梨華どう思った?」 終わった関係だとは思いながら、和真は本気で進路を迷った。梨華の大学には野球のサークルはない。だけど、梨華はいる。別れた原因が離れてしまう事な ら、まだ望みはあるかもしれない。何度そう、思ったか。 「そんなの…困るわ」 和真が肩をすくめて笑った。 「じゃあ、今の大学でよかった」 最後の最後で和真の意志を決めさせたのは、野球への熱意もそうだったが、何よりきっと梨華は困るだろうと思ったからだ。自分のせいで和真が野球を失う事 を、梨華は絶対に良しとしない。だから。 「まだ一ヶ月は投げられないんだろうなぁ」 和真は梨華がいなくなる、つまり一学年上の先輩たちが引退してからピッチャーになった。それまで練習する事はあっても、和真は打つほうが好きだったから だ。だが、人がいなくなっては仕方がない。 ボールを投げるようになってから、和真は急にその魅力に取り付かれた。キャッチボールじゃない、一対一のぶつかり合い。 「でも、治りそうじゃない…」 瞳を揺らす梨華に和真は力強い笑みでうなづいた。 「うん、治すよ、絶対」 梨華もほほえんだ。 「―――え?」 「ん?」 梨華は首をかしげた。梨華が人ごみの中から見つけ出した人。それはよく知った人だった。 「りょうくん!」 和真がなんだろうと思う暇もなく、梨華は走り出していた。ズキッと心が痛む。だがこうしてはいられない、和真も追いかける。 「…梨華?」 和真はハッとした。彼、だ。文化祭のとき、梨華がほほえみかけていた、彼。 「りょう君、お友達?」 「あぁ、大学のな。同じ学部やねん。サークルも一緒。前言うたやろ、文化祭の天使」 彼―――遼哉の隣には女が立っていた。 「宮野梨華です。あのね、りょうくん、あの…」 梨華がうつむく。遼哉が和真に気づいた。 「あぁ、こいつが?」 頬を赤く染め、梨華がうなづいた。和真には何のことかわからない。 「例の、文化祭ん時の?」 「違…、わない、けど、そうじゃなくて…っ」 おどおどしている梨華。いつもなら可愛いと思うけれど、今の和真には複雑だった。 「文化祭って?」 だから尋ねる。 「あぁ、文化祭ん時、知っとる奴がおったかもとか言うて。彼氏か聞いたら元彼や言うから。お前の事ちゃうん?」 「りょうくん!」 梨華が遼哉の言いたいことに気づいて止めようとするが、遅すぎた。 「あ、それとも文化祭ん時おらんかった?」 遼哉はいたって真面目な顔だ。 「―――いました。てかそれ俺です」 「か、かずくんっ」 「大体梨華、お前も紹介しよう思て話しかけて来たんやろ?」 図星、だった。遼哉には色々と迷惑をかけたから。彼にだけは言っておかなければならないと思ったのだ。 「さよか。より戻したんや。まぁ、最近様子変や思てたし、そんなとこやろ思てたわ」 遼哉が少しだけ口端をあげた。 「梨華と同じ学部の旭川遼哉や。サークルも一緒。よろしゅう」 「大友、和真、です」 遼哉の隣にいた女がくすくすと笑った。 「何や?」 「珍しいな、思て。りょう君が自分から自己紹介なんかて」 「大学はそやないとやってけへんからな」 「あ、あたし森川美並いいます。大阪の専門学校の一年です」 美並がほほえみ、言った。梨華はじっと美並を見ている。そして遼哉を何か言いたそうな目で見た。 「…失礼ですけど、彼女、さん?」 遼哉と美並が顔を見合わせた。 「―――そんなもんや」 梨華は後輩の千里から美並の話はよく聞いていた。実はそれは美並もそうだったのだが、梨華は聞いたとおりの優しそうな人だなと思った。 |
091
ゼロとイチの狭間で (旭川遼哉&森川美並) |
例えばそう…もしも明後日、帰りの電車が事故に遭ったなら? 例えばそう…もしも一週間後、彼に好きな人が出来たなら? その時あたしは何を思って、どうするんだろう。彼と離れたら、彼と今の関係が保てなくなったなら、何が変わるのだろう。 だったらどうして、今こんな関係なのだろう。 美並は考えていた。遼哉の隣を歩きながら、考えていた、ずっと。 「…どないしてん」 美並はじっと遼哉を見つめた。遼哉が立ち止まった。だから、美並も立ち止まる。 「美並?」 この声が好き。優しいところが好き。そう、好きなのだ。彼のことを、もうずっと。 「梨華さんって…素敵な人ね」 遼哉は答えなかった。どうして美並がこんな事を言い出したのか、わからなかったからだ。 「彼氏さんも優しそうな人やし」 「あぁ…俺も詳しくは知らんけど、二年前に一回別れとったたらしいで」 より戻したんや。―――遼哉の声が頭の奥に響いた。それでも、そんなに長く別れていたのだとは思わなかった。 そんな風に、好きでいられるのだろうか。ずっと、好きでいてもらえるのだろうか。 美並は恋人は要らない、ずっとそう思っていた。遼哉に出会うまでずっと、いや出会ってからもずっと。それを遼哉は理解してくれた。だから、今の関係があ る。 美並は遼哉が好きだ。遼哉も美並が好きだ。お互いの気持ちはわかっている。それでもふたりは恋人同士ではない。ただの友達だ。こうして、美並が遼哉に会 いに東京に来たり、遼哉が美並に会いに大阪に帰ってきても。 「美並?」 なんでもない、そんな意思を込めて首を横にふった。 だけど美並は思う。はたして、自分は遼哉を失っても前と同じように笑えるだろうか。生きていけるだろうか。 大人になって自分で自分の面倒を見られるようになってから、恋だの愛だのいったことは考えよう、そう思っていたのに。それは今でも変わらないのに。 「言いたい事あるんやったら、言うとけよ」 だけどそれは強制ではない。美並は素直にうなずいた。 梨華たちに会ってから、考えさせられる。だけど答えはまだ出てこない。だからまだこのままでいたい。始まっていないけれど、ゼロでもないこの関係で。 後で後悔したくない。いつか終わってしまう関係は作りたくない。遼哉に甘えている事はわかっていたが、彼はそれでもいいと言ってくれたから。 「どっか行きたいとこあるか?」 「何回、来たと思とるの。もうそんなとこあらへんよ」 いつも遼哉は美並のことを優先してくれる。それが嬉しい。 「せやな。ほんなら、適当にぶらぶらするか」 美並はほほえんだ。これだけで、十分幸せ。そう、思った。 |
141 キララ、キキラ |
「無事退院しましたー!」 「おー!」 元気に拳を振り上げる和真に答えたのは勇太だけだった。 「っておい! みんなノれよ!」 和真はともかく、勇太の立場がない。 「わざとだよ」 さらりと答える達哉のことはあきらめる。ちらりと梨華に目をやって、にこにこ笑っている彼女に何も言えなくなる。彼女だと今日達哉に紹介されたばかりの みどりは無表情。その他の人とはほとんど面識がない。勇太はため息をついた。 「あはははは。予想通りの結果」 「和真!」 「や、でもほら、誰も答えてくれないと寂しいし。ね」 フォローになっているのかいないのか。肩を落とす勇太の肩に、達哉が手を置いた。 「だって。よかったね」 にっこり、綺麗な笑みで。だが言い返すとろくな事がないと知っている勇太は出そうになった言葉を必死に飲み込んだ。 カフェ「グリーンアイズ」にて。友人、といっても九人だけなのだが、その上面識がない人もいたりするのだが、ささやかな退院パーティが行われていた。営 業を早めに切り上げ、達哉の兄聡志がケーキを焼いてくれた。 「あの、でも本当によかったんですか、お呼ばれして」 おずおずと声をかけてくるのは美並だ。 始まりは梨華がこのパーティに遼哉を誘ったこと。元々遼哉には行く気がなかったのだが、偶然東京に遊びに来ていた美並が行ってきたらと勧めたのだ。そう やで久しぶりにうちに美並貸してという千里を静かに睨みつける遼哉に、慌てて梨華がよかったら美並さんも千里ちゃんも一緒に、と誘ったのだった。 「いいじゃん、多いほうが楽しいし」 「って、本人も言ってますし」 梨華がにこにこ笑う。美並もほほえんだ。 「でもさー、やる事ないよね」 「…やってもらってる本人が言うなよ…」 「いいんだよ、意味もなく騒いでたら」 勇太の言い分を綺麗に無視して達哉が言った。 「何か俺、最近ますます扱いがひどい気がする…」 「そういうキャラなんでしょ」 みどりがそういってコーヒーの注がれたカップに口をつけた。今日会ったばかりのみどりにまで言われる。だが達哉や和真のように反論する事も出来ず困って いると、梨華が察したのかしていないのか―――おそらくは後者であろうが、口を開いた。 「もう、みどりは毒舌なんだから…」 梨華が苦笑する。 「え、そこ? 梨華ちゃん微妙に論点ずれてる…」 勇太が肩を落とすと平然とした顔で和真が笑った。 「いいんだよ、梨華は天然なんだから」 「いや、わけわからねぇから、その理由」 「よし。じゃあ今日は特別に俺がリサイタルしてあげよう。和真、リクエストは?」 またもや達哉の横槍が入る。 「え? えー、でも俺、んー。達哉何弾けるの?」 「何でも」 迷わずそう答えるところが達哉らしいところだ。和真はここでアルバイトをしているので達哉がピアノもヴァイオリンもギターも弾ける事を知っている。 「え、あれ弾けるんですか? すごい!」 千里が目を輝かす。達哉はほほえみ、じゃあリクエストはと尋ねた。 「お前音楽駄目やろ」 「うっさいわ。人を馬鹿にして!」 「ほんまのことやろ」 微妙にピリッとした空気が二人を包む。 「もぅ、りょう君も千里も。痴話喧嘩したあかんよ、こないなとこで」 美並の言葉に、美並を除く全員の動きが止まった。 「美並…」 遼哉のため息。 「え、あたし変な事言うた?」 「お前、痴話喧嘩の意味、ほんまにわかってるんか?」 「ほんまは仲えぇ人同士の喧嘩やろ?」 「…そうだっけ…」 「梨華! お前ももうえぇ。天然なんか単にボケとんかわからんなってくる…」 梨華がつぶやくと遼哉は額を押さえた。さすがの和真もそれには反論できない。天然というより、単に人の言う事を信じやすいだけのような気もするが。 「美並、お前はほんま国語駄目やな…」 理系の美並は国語が出来ない。 「意味違うん?」 「あぁ。…千里にでも教えてもらえ」 「ちょぉ! 押し付けんといてよ!」 千里が慌てて反論する。周りから笑いが起こった。 「あはは。面白いね、君たち。じゃあ、俺が適当にチョイスするよ」 達哉は心底面白そうに笑ってヴァイオリンを手にした。ギターのほうが好きだが、今日はそんな気分だった。 |
099 危険なミッドナイト |
「羨ましい、ピアノ弾けるなんて」 「あれ、梨華ちゃん弾きたいの?」 それは梨華の独り言。それでも達哉は聞き逃さなかった。 「…うん」 一瞬のためらい。その表情。和真はもしかして、と思った。 「教えてあげようか?」 「いいの?」 「もちろん。あぁ、でも、兄貴のほうがうまいかな」 達哉の兄である聡志は、音大を卒業してこのカフェを経営している。達哉はピアニストの父に教わっただけなので専門の授業は受けていない。 「駄目だよ、梨華人見知りするから」 梨華が困ったように笑った。しかし事実なので何もいえない。それに、和真が心配してくれている事はよくわかっていた。 「でも、梨華ちゃんってピアノしてそうだけどね」 梨華の表情が一瞬曇った。一瞬過ぎて誰も気づかなかったけれども。 「何か楽器がやりたくて、中学生のとき少しだけ吹奏学部に入ったんですけど、器官が弱いみたいで出来なかったんです」 「え、そうなの? 俺そんなの知らなかった」 すぐに話に食いついてくるのは和真だ。だが少し違和感を感じる。二年前に付き合っていた頃の梨華は、絶対に他人に過去を明かそうとはしなかった。少なく とも、和真以外には。 いいことなのかもしれない。梨華が強くなったということなのかも。それでも、和真は言葉に出来ないものを抱えていた。それは寂しいという感情に一番近く て、嫉妬という言葉によく似ている。 「だって、悔しかったんだもの」 梨華がそれを話すということは、過去の事だということ。やはり和真には複雑だった。 そういえば、どうして明らかに文化部系の梨華が野球部のマネージャーをやっていたのか、和真は知らない。聞いてみようかと思ったが、やめた。そんなこと を知るのは自分だけでいい。愚かな独占欲だった。 「あ、うち中学のときブラバンやってましたよ。ペットで」 ふと千里が会話に入ってきた。もしかするともっと前から混じりたくてうずうずしていたのかもしれない。千里は梨華を慕っている。 「ブラバンって、ブラスバンド?」 梨華が首をかしげる。 「あ、はい。ペットはトランペット」 「あ、やってそう…。高校に入ってからはやらなかったの?」 「なかったんで。テニスしてましたよ」 屈託なく千里は笑う。きっと順応能力が高いのだろう。梨華にはとても真似できない。 「あら、それは聞いた気がするわ」 「けど、途中までやろ。先輩と居り合いつかんて言うてやめたんやから」 「もー美並、バラさんといてやぁ」 千里が情けない声を出した。あまり知られたくはなかったらしい。 「そうだったの? 知らなかった」 梨華がくすくす笑う。千里が気まずそうに笑った。 和真は楽しそうな梨華を見つめていた。梨華の笑顔が傍にあることは嬉しいが、それが前以上にみんなにばら撒かれていると思った。達哉は勇太と何かしら話 している。梨華たちが楽しそうに話している以上、ピアノのことは後回しにしようとでも思ったのだろう。 「美並さんは部活は?」 美並に問われた言葉なのに、千里は少しだけ動揺していた。それに気づいたのは幼なじみである遼哉だけだろう。なんでもないふりをして、実はちらちらと美 並や千里を盗み見て、会話を聞いていた。 「あたしは…入ってへんですね」 千里の心配をよそに、美並は気にすることなく答えた。意外と、心配しているのは周りだけで、本人にしてみればなんともないのかもしれない。 「あ。違います、帰宅部入ってたんです」 梨華がきょとんとする。おそらくは違いがわからなかったのだろう。本当は違いなんてないのだが。 「いや、違わんやろ。同じやでそれ」 案の定千里が言葉にする。 「あら、じゃあどうして帰宅部って名前があるの?」 梨華の素朴すぎる疑問に、一瞬誰も返せなかった。美並を除いては誰も。 「部活動調査とかの時のためやないですか?」 一瞬で室内は静かになった。和真は固まっているし、達哉と勇太の会話が止まり、みどりや遼哉はひそかにため息をつく。美並はその質問に何の疑問も抱かな かったのだろう、あっさり答えた。 「あら、だったら入ってませんって書けばそれでいいと思わない?」 「あ、ほんまですねぇ。ほんなら、部活入ってへん人が、格好つけるために言うてるんやないですか?」 誰も入り込めない会話、そうであることにも気づかずそれは発展していく。 「あぁ、入ってないわけじゃなくて、帰るのが活動の部活ってこと?」 「ふふ、全然活動してませんね。むしろそれやったらみんな帰宅部になりますよ」 言い出したのは美並のほうでは、千里は思ったが言葉にはならなかった。 「あら本当」 「…あら本当やないやろ」 深いため息と共に遼哉が言った。 「え、何が?」 梨華がきょとんとする。よっぽど無視してやろうかと思ったが、そうされる意味すら分からないだろうと思ってやめた。 「そもそも部活は入ってへんて言うのと帰宅部や言うのと区別しよう思うんが間違いやろ。部活入ってへんイコール帰宅部やんか」 「…それもそうやね」 美並が納得の声をあげる。 「納得早いな…」 千里がつぶやく。それと同時に騒がしさが戻ってき始めた。 「あぁ、部活入ってないって事が、帰宅部ってことなのね?」 だが、そこに再び爆弾を投下したのが梨華だ。一瞬シンとなる。だがやはり美並にはわかっていない。 「そういうことですね」 にっこり、笑顔で何の疑問も抱かない。 「……お前ら危険やな」 そんなことをいえるのは遼哉だけだが、皆がうなづいた。 「ほんとに、梨華は天然なんだから…」 「いやむしろ、天然超えとる気ぃしますけど」 和真がため息をつき、千里が乾いた笑いを漏らす。 「天然は天然、だろ」 「ド天然?」 しばらく考え、千里が言う。だが和真は即座に否定した。 「え、それ可愛くないから梨華には似合わないよ」 「あぁ、そうですねぇ」 「お前らの会話もどうかと思うわ」 遼哉が再びため息混じりに言う。だが慣れているのか千里はあっさり無視して和真との会話を続ける。 「じゃあ、ピュア天然てどうです?」 「あ、かわいい」 「変わったもんやないやろ…」 遼哉のそれは、単なる独り言なのか聞かせようとしているのかがまったくわからない。ふと千里が美並を見た。 「けど天然てナチュラルやろ? ピュアは…なんやったっけ」 「純粋とかそういうんちゃうかったっけ」 しばらく考え美並が答える。 「ナチュラルて訳す天然は自然に出来たもんとかいうのの意味やろ。日本で言う天然はピュアちゃうんか」 遼哉の言葉に、しばらく千里が黙る。考えているのだろう。だがそれも長くは続かなかった。 「…あーもうえぇ! そんな難しい事わかるかいな! 梨華先輩はピュア天然、かわいければえぇねん!」 はぁ、ともう慣れてしまった遼哉のため息。 やがて美並は遼哉と話し始め、梨華も和真と話し始める。達哉はいつの間にかみどりの隣へと移ってきており、勇太は一人除け者かとため息をついた。が、ふ と千里と目が合う。どうやら彼女も、らしい。 勇太が苦笑した笑みを向けると、千里は困った顔をした。 |